ウッドブラインドとは
窓辺に木のぬくもりを、そして街に潤いを
ウッドブラインドは上質な窓辺の家具とも言われ、無垢の木で作られた本物の質感とシンプルな意匠性、スラット(羽根)角度を変えて光、視野、風などを細かく調節することが出来る機能性、そして実耐用年数が長いなど優れた特長を持つ窓装飾用製品です。
※スラット全体を上下させる昇降機能をカーテン、ロールスクリーン、シェードと同様に有していますが、この機能はウッドブラインドを用いる本来の意図や目的ではなく、出入りの時や、ガラス面を掃除する時にのみ使用する機能です。
欧米におけるウッドブラインドの駆動メカニカル機構はチルト機能重視(ブラインドを常に下げた状態で使用)で、使用頻度の低い昇降機能は、単純な滑車式(ブラインドを上げるときに力が必要な操作方式)が現在もポピュラーです。
スラット角度調節(チルト機能)を行う目的と効果
設置場所の環境や季節、時間的要素、そして下記のような多様な要因に対して、簡単な操作で羽根角度調節を行い対応します。
※設置環境により、一度決めたスラット角度をほとんど変えずに使用されている、半固定的な使用の実態も多くあります。
1.光量の調節
(1)室内を明るくしたい、暗くしたい
(2)眩しい:朝日や西日が眩しい、パソコンの画面が見にくい等
(3)紫外線のカット:家具等を日焼けによる色褪せから守ります
(4)室温の調節:陽光を取り入れて暖かくしたい(冬季)時、或いは遮りたい(夏季)
※スラットを閉じた状態であってもスラット間や側面から光が入る為、完全遮光にはなりません。
2.視野(視界)、外部からの視線の調節
(1)外の景色を見たい、或いは隠したい。
(2)通行人や隣接建物からの視線を遮りたい。
(3)内部を見せたい:店舗内の商品や雰囲気を見せたい、開店中であることが判るようにしたい
(4)内部を隠したい:室内の様子を見せたくない、閉店していることが判るようにしたい
(5)室内空間の広がりを得たい
3.換気の調節(通風)
外気を取り入れて換気をしたい、風を通したい時
4.音の調節
①鳥のさえずりや、水の音など、外の音を聞きたい。
※消音機能は、あまり有りません。
②室内の反響音を調節したい
ウッドブラインドの品質と選定
品質を決める2大要素は、スラット(羽根)と操作駆動機構です。
1.スラットの樹種と品質
(1)耐用年数の長いウッドブラインドに用いる樹種は、反りや曲がり等の変形が起こりにくい樹種である事、
そして薄い板状のスラットを作る上でのノウハウ、技術に基づく品質である事も重要です。
(2)巾の広いスラットほど、スラット同士の間隔も広く、邪魔の無い視野を確保することができ、視野や光量を調節する上で有利です。またスラットの厚さは、ブラインドを設置する環境(温湿度の変化)や予測される衝摯に対して充分な強度が必要です。厚さは意匠上(高級感、存在感)にも影響を与えます。
(3)スラットの仕上げ塗装と色はウッドブラインドの耐久性そして意匠上、重要なファクターです。紫外線等の光に対し耐光性能の高い(色褪せしにくい)塗料を用い、本物の木の質感を生かしたテクスチャー(ツヤ、深み、質感等)の仕上げが求められます。色の選択は、ウッドブラインドを設置する環境や好みなどから基本的に自由であり、選択肢が多い事も重要です。
2.操作駆動機構
(1)手動操作方式
住宅などで限られた台数のブラインドを操作する場合は、手動操作方式で容易に室内環境がコントロールできます。重量のあるウッドブラインドを軽い力で確実にスムーズな操作ができること、そして長年使う上で耐久性のある駆動機構が求められます。
(2)電動操作方式
商業施設、オフィスビル、公共施設、あるいは設置台数の多い住宅に於いても、一度に多数のブラインドを操作する事が出来る電動操作方式が求められます。電動操作方式は前述のような要素や要因(スラット角度調節を行う目的と効果を参照)による駆動に対応できること、そして多様に求められるスラットの位置に簡単に操作が出来るなど、使いやすいものであることが求められます。
オフィスビルなどで用いられる、外部照度の測定値により自動的(半強制的)にスラット角度が変わるシステムも存在しますが、同時に室内の人達が思い通りに操作のできる、実質的な有効性と使いやすさが必要です。
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